全ての教科の基礎として、なぜ国語力なのか?

算数の文章題を読んで何を求めているのか?。

<問題>
チーターが、10秒間に310m走りました。このチーターの走る速さは秒速何mですか。
また、分速と時速を求めましょう。(東京書籍小5下p41)

国語力とは? あまりにも抽象的なのでここではもう少し具体的に考えてみます。
つまり、国語力を4つの段階に分けて考えます。
①語彙力の問題 ②読解力の問題 ③思考力の問題 ④表現力の問題です。

⑴速さの意味がわかるか?① 語彙力の問題
「時速」・「分速」・「秒速」のほんとうの意味がわからなくても、テストで正解を出すことができます。
「秒速」とは、1秒間あたりに進む道のりで表した速さ
この問題では、10秒で310m走るので、1秒間では310÷10=31m
秒速31mとなります。

多くの児童・生徒は、正解のマルをもらって終わってしまっています。機械的に解いているだけで、ぜんぜん頭を使っていません。勉強ではなく、単なる作業です。

これでは、ほんとに問題ができたと言えるでしょうか?
また、未来の子どもに役立つ勉強といえるでしょうか?

「意味がわかる」とは具体的に次のようなことだと考えています。
まず、秒速の定義がきちんと言えること。次に、想像力を働かせて、身近な例(ビル10階の高さ・姫路城の高さ・バスケットボールのコートの縦の長さ28m)で31.1mの長さを1秒でいけるなんて、すごくはやいなーと感じることです。
「意味がわかった」と言えるためには、ここまでできる必要があると思います。① 語彙力の問題

学校のテストに例えると
・小学校の単元テスト表面<知識・技能>の問題
・中学校の定期テスト <知識・技能>の問題
お子さんのテスト問題を振り返って確認してみて下さい。
ここの問題で間違いが多い児童・生徒は、算数・数学の問題ではなく、言葉の「意味」がわかっていないのです。言葉の「意味」がわかれば、できるようになります。
<練習>
ことばの対象を想像する…

⑵問題文を読んで、図や式にすることができるか。② 読解力の問題
問題作成者の言っていることを、頭の中でイメージできるか。イメージ(想像)ができないと図や式にすることができません。当然①語彙力がなければ、読み取れません。

・「秒速」と「分速」と「時速」のそれぞれの関係がわかる
「分速」は1分間あたりに進む道のりで表した速さ。1分は60秒だから、31m×60=1,860m つまり、1分で1860mも行けるのですね。「時速」も同じように考えていけばいいのです。そして、想像力を働かせて、身近な事例に例えていく練習をしてみてください。

学校のテストに例えると
・小学校の単元テスト裏面<思考・判断・表現>の問題
・中学校の定期テスト <思考・判断・表現>の問題
公立小学校・中学校の思考力の問題は、読解力があれば解ける問題がほとんどです。

・日本近海での平均的な塩分濃度と同じ3.5%の濃度の食塩水を作るために、1㎏の水に加える食塩の質量として適切なのは、次のうちどれですか。
ア3.5g  イ3.6g  ウ35g  エ36.3gg
(都立入試問題平成25年理科2️⃣問3)
問題文(日本語)を図や式に書き直すことができれば、問題を解くことができます。
読解力があるということは、日本語の文章を頭の中でイメージ(想像すること)ができることです。

⑶問題の解決の過程を考え、最適な選択肢を判断できる力③ 思考力の問題
ここで取り上げる思考力の問題は、難関私立中学・高校で出題されている難しいものを言います。
KATOH塾では、難関私立中学・高校を受験対象にしていません。そのため、ここでは説明を省略致します。

⑷先生や友達に説明して、納得してもらう(記述式・対話力)④ 表現力の問題

都立推薦作文問題(令和5年)
① 都立小松川高校
総合的な学習の時間の授業で、次のテーマについて三人一組で発表することになった。
テーマ:「地域をよりよくする取り組みについて、探求的に学習しよう」
このことについて、あなたはどのように発表をするか。グループの中での自分の役割を明確にした上で、具体的な経験や見聞を含めて書きなさい。(480字から600字)

② 都立城東高校
「学ぶことは、自分自身を作り変えることである。」という言葉について、自分の体験を例に挙げて、考えを述べよ。(540字から600字)

③ 都立江戸川高校
「黒一式色の入学式」について、集団のあり方や若者の意義について、心配する声も挙がっている。これに対してどんな問題や課題が指摘されているかを述べ、それに対するあなたの意見をこれまでに見聞きした服装以外の例を一つ挙げて述べなさい。その上でどのような生活を送り、どのような力をつけたいか考えを述べなさい。
・「黒一式色の入学式」:大学の入学式では、自由な服装ができるにも関わらず、ほとんどの入学式が、黒や紺色のスーツを着ているため、会場全体が黒一色に見える

都立の推薦の作文問題を見ると、必ず「体験・見聞」したことを書くように出題されています。見聞とは、見聞きして学ぶことを言います。
では、どのようにして「書く」か?④ 表現力の問題
作文・小論文コースでご説明致します。

多くの児童・生徒は(全体の7割ぐらい)②の読解力が不足しているため、問題文を図や式にすることができません。
おそらく学校や塾の説明は、算数・数学の教科にも関わらず①語彙の説明・②問題文の意図などの説明が中心になっています。
国語の授業に近いです。
学校の定期テスト(中間テスト・期末テスト)では②の読解力までできれば、満点近い点数が取れます。

さて、お子さんはどの段階(①語彙力の問題・②読解力の問題・③思考力の問題・④表現力の問題)でしょうか。

ことばの学校では、「読書」を通じて①語彙力②読解力をつけることを目標に進めていきます。楽しみながら読書をして、気がついたら①語彙力②読解力がつき、国語力が高くなっていると思います。継続は力なりです。

では、なぜ紙の本の「読書」が語彙力・読解力をつけるのか?
それは、「読書」することで想像力がつくからです。
活字の情報量と映像の情報量を比較しましょう。映像例えば、YouTubeは見ているだけで内容がわかります。YouTubeでは、たくさんの情報量があります。顔の表情・音声・周辺の状況・音楽などから、頭を使わなくても内容を理解することができます。しかし、活字の文章は、圧倒的に情報が少ないです。そのため、前後の文章や行間を自分の頭で想像しなくては理解ができません。

例えば、
①「君はぼくのことを信じないの?」 「そうじゃない」
②「今年の夏も暑いかな?」 「そうじゃない」
③「彼はいつもそれしか言えないのかな?」 「そうじゃない」

①から③までの「そうじゃない」の意味は、活字だけだと同じ字です。
しかし、意味が違います。①「そうじゃない」は否定の意味で使っています。②「そうじゃない」は肯定の意味で使っています。
③は、肯定・否定のどちらでしょうか。この文章だけでは、おそらく判断できないと思います。文章の前後関係や文章の流れから、判断するしかないと思います。
想像力がないと①~③の判断は、できないでしょう。想像力を高める練習が、「読書」です。また、この想像することで、ほんとうにわかることや記憶にも残ることができます。そして、語彙が頭に定着して語彙が増えてくると語彙と語彙がつながります。その結果、文章の意味もわかってくるので、読解力もついてくるのです。
参考文献:脳を創る読書(酒井東京大学教授)

語彙力・読解力をつけるためにも「読書」を勧めます。
読書の苦手な人やどんな本をよんだらいいのかわからない人は、ことばの学校で一緒に「読書」をしませんか。
興味・関心のある児童・生徒さんは、ぜひ体験授業を受けてみて下さい。

ことばの学校 概要

こんな児童さん
こんな
児童さん
小1~小6
・本を好きになりたい。
・いろいろな世界を知りたい。
・マンガ・アニメだけではなく、本の世界も知りたい。
・自分の興味・関心分野を知りたい。
・文章問題を得意になりたい。
・たくさんの言葉を知りたい。
・国語を得意にしたい。
目標国語力を高める
授業時間50分/週1回又は週2回
指導内容児童の興味・読書レベルに合わせて最適な本を選びます。

朗読音声で読書

読書ワークで確認
受講料小学3年生まで:7,700円 (月額)
小学4年生から:6,600円 (月額)
教材費:年間4,400円
読書指数診断:検定料1回2,200円

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ことばの学校