塾長日記

「高校入試の」作文・小論文の書き方

前回続き
「高校入試の」作文・小論文の書き方

ここで、「高校入試の」と修飾語をつけたのは、大事な意味があるからです。それは、学校で書く作文とぜんぜん違うからです。それは、次の2点です。

高校入試では、
➀ 時間50分と制限時間があります。この時間内で、書き上げなければなりません。
➁ 事前に、問題がわからない。試験の始まりの合図があって、問題文を開いて初めて作文・小論文の課題がわかる。事前に、問題がわからないので準備ができない。
そして、辞書やインターネットで調べて書くことは当然できない。学校の調べ学習と全然違う。

このことから、私は作文・小論文指導において、
「難しいことは書くな、当たり前のことを書けばいい」と伝えています。
学校で書く作文は、時間は特に制限せれず、辞書やインターネットで調べたり、友だちに聞いたりすることができます。まったく、状況が違います。高校入試で、すごい作文を書こうとすると、途中で時間がきてしまい最後まで書けないことになります。途中で終わっている作文は点数がつかないと思います。
計算で、答えがなく式の途中で終わっている場合の回答は0点です。
野球に例えると、ホームランを狙って、三振してしまったことになります。ヒットを狙えばいいのです。
「当たり前のことを書くだけ」←少しは楽になりましたか?

それでは、ある高校の作文問題を検討してみましょう。
「ストレスとは、こころが感じる重圧のことを言います。省略~そこで、あなた自身の体験などを例に挙げ、ストレスへの対処法について述べ高校生活を送る中で起こりうる様々なストレスに対して、その経験などをどのように役立てているかを書きなさい。」

まず、すぐに書き始めないこと。問題文の検討をします。(10分ぐらい)問題文で、聞いていることに対して答える。何を聞いているのか?(出題者の意図をさぐる)
この学校では、
➀ ストレスの経験
➁ その時のストレス対処法
➂ 高校生活を送る中で起こる様々なストレス
➃ そのストレスに対して経験をどう役立たせるか。
4つを聞いています。この4つに答えないと点数がもらえません。
➀~➃まで、答案用紙の余白にメモ書きします。
➀ ストレスの経験?
中学校の時を、思い出します。
中間テスト・期末テスト、部活での大会・試合の時、運動会の100メートル走、学芸発表会など
➁ その時、どう対応したか思い出す。
テスト勉強を1週間前から、頑張ったこと。部活では、毎日練習した。友達と声を掛け合って練習した。学芸発表会では放課後遅くまで残って練習した等
➂ 高校生活を送る中で起こるストレスとは、
まだ、中学生の皆さんにとって高校生活は想像の世界でしかありません。しかし、皆さんは高校のパンフレットや高校のホームページで高校のようすは十分理解して、どんな経験するのかもわかっていると思います。例えば、勉強合宿があったり、テストの回数が多くなって毎月なんらかのテストがあったりします。
部活動も、中学と違い関東大会・全国大会など大きな大会もあります。ストレスも中学生の時以上に感じると思います。
➃ ➂のストレスを解決するために中学校の経験をどう役立たせるか。
ここがこの学校で一番受験生に聞きたいところだと思います。
ここをしっかり書けていれば十分合格答案です。
例えば、勉強面では予習して授業に望む。予習→授業→復習(繰り返し)を習慣化する。
部活では、練習するときにみんなで声をかける。考えて練習する。科学的な知見を取り入れ練習する。

問題用紙の余白をメモ用紙として使ってみて書いてみてください。

次に、①~④までを接続詞を使って文と文をつなげていきます。
接続詞 「そして、そこで、なぜなら、例えば、しかし、したがった、」このような接続詞を使って文をつなげていくと文章のできあがりです。作文・小論文の完成です。
決して、すごい作文ではないですが、落ちない答案になります。野球では、ヒットです。
ここまで書ければ、もう大丈夫です。安心してください。
具体的な文章のつなげ方は、冬期講習で説明しますね。

面接と作文・小論文について2回に分けて簡単に書きました。
次回は、冬休みの過ごし方について書いてみたいと思います。

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